京大生の推し講義まとめ’20(理系)

おまたせしました。
京大生の推し講義まとめ’20(文系)に引き続き、理系版を公開します
以下文系版と同じ話が続くので飛ばす人はここをクリック

2019年度後期の終わりにこのようなアンケートをtwitterで実施しました。

今回の推し講義まとめは実際に自分が受けた授業と、このアンケートに基づいています。それなりの数・分野の講義を網羅できたのではないでしょうか。ぜひ参考にしてください。
引用部分が、「推し講義アンケート」回答からの引用です。評価が高く、多くの声が寄せられた先生は先生単位での特集を組んでいます。
※アンケートの有効回答数n=59

なお、これは「推し講義」のまとめであり、楽単のまとめではないです。紹介している先生は、やさしい先生が多いですが単位を取るのが楽とは限らないです。
やはり大学生には真摯に学問に向き合う姿勢が必要じゃないかなあ、と(自分が出来ているかといわれると苦しい者がありますが)。
あと、基本的に感想は全文引用してます。長いです。これによってアンケートに答えてくれた多くの京大生の学問への熱が伝われば幸いです。

長いので、とりあえず文系編と理系編にページを分けました。
文系編も”推せる”先生が数多くいるのでぜひチェックしてみてね

 

おすすめ講義凡例

講義名 先生 開講日時
分類 成績評価法 単位取得率

※単位取得率はへいほぅさん(@5ebec)のbotを参考にしています

 

推し講義まとめ本編・理系編

紹介する講義一覧(20年前期開講分のみ)
リンクをクリックすると、対応する場所に飛びます

基礎化学実験
ILASセミナー:森での感動を科学する

 

推し講義まとめ本編・理系

 

基礎地球科学A(宇宙誕生から現在まで)  酒井 敏 前期:金1
自然群-地球化学 出席・試験による 64.8%
基礎地球科学B (現在の地球環境の仕組み)  酒井 敏 前期:金1
自然群-地球化学 出席・試験による 50.7%

基礎地球科学とかではなく、京大生としての生き方が学べる。後期の基礎地球科学Bと合わせて受けてほしい。

総人・人環の名物教授、酒井先生の基礎講義。
酒井先生は、「京大変人講座」を主宰してたり、京大の学風を形作って当局の方針に対抗してる教授陣の急先鋒の立っている人。
人環の自然科学系教授は変な人が多くておもろい。

化学と生物の分子集合学 高等研究院のリレー講義 後期:木5
自然群-生物学 平常点60%、レポート40% N/A

今年度から開講された講義で、iCeMsでバリバリ研究している先生方3名からノーベル賞に関連した非常にわかりやすく興味を引く講義を受けることが出来る。また、期末には有志学生によるプレゼンテーションがあり、優秀な学生による価値あるプレゼンテーションを聞くことが出来る

iCeMs(物質-細胞統合システム拠点)すごいよね。化学を中心に自然科学の中の学祭研究を進めるための京大附属研究所で、最近成果上げてる。(このまえ新聞に取り上げられてた。)
こういうフロンティア系の各論授業は、先生の最先端の研究を講義に下ろしてくれるから、その道に進もうと思っている人は受けておくべき。(全員が全員わかりやすく話してくれるとは限らん。この講義はそのあたりもよいらしい。)
また、成績評価が緩い傾向にある気もする。

 

現代の数学と数理解析 -基礎概念とその諸科学への広がり 数理解析研究所のリレー講義 前期:金5
自然群-数学 課題・レポートによる 58.4%

・わけのわからない数学のリレー講義
・一つの講義で最先端の研究にまつわる話をたくさん聞けてお得

宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論の望月新一教授等、やべー先生方多数所属していることで有名な数理解析研究所の送る最先端数学のリレー講義。
講義義務が免除された教授たちが学部に降りてきてくれる貴重な瞬間。

 

生物学のフロンティア トップクラスの講師陣のリレー講義 前期:火4
自然群-生物学 平常点50%、試験50% 83%

これを推しているひとが誰もいないのが不思議なのだけど、あまりにもメジャー過ぎて忘れられてたかな。
フロンティア授業の嚆矢にして、山極壽一総長、山中伸弥iPS研所長らが集まる夢の講義。確か唯一この二人が学部に降りてくる時間。
理学/医学/工学/情報学/農学/生命化学各研究科・国際高等教育院・生態学研究センター・野生動物研究センター・iPS研・総長…と京大総出で生物学研究のトップ講師が集まる。
フロンティア授業にしてはほんとに話がわかりやすい。全京大1回生は履修登録するべき。(まあ抽選で落とされるけど)。この講義のコーディネーターをしてる高橋先生、クセは強いけど、まじですごい人だから。
なお、総長回と山中先生回はもぐりを防ぐための出席チェックがあります。気をつけて。

 

生命の有機化学 化学研究所のリレー講義 前期:木3
自然群-化学 出席50%、相互評価40%、先生評価10% 84.3%

アイデアの出し方など、他の授業にはないような内容である
映像授業を家で視聴し、講義だと話し合いを中心にするというスタイルが良かった

インターネット(無料オンライン教育組織edX)を活用した反転授業であり、将来研究者になることを目指し、化学、生命科学、医学、薬学、農学の大学院進学を希望する1,2回生対象の講義。
研究や技術のアイデアを生み出す議論をする。

 

生存圏の科学概論I,II 生存圏研究所のリレー講義 前期:月2/後期:木2
統合群-環境 平常点40%、試験60% 86.1%(I)

文理を問わない。珍しい統合群。授業に出さえすれば単位はくれる。(学期の冒頭で宣言)

確かに統合群ってすごく珍しい。
環境問題とかに対する学問的アプローチを学ぶ授業なのかな。
人類社会の持続と地球環境の保全の両立を目指した「生存圏科学」の拠点形成のための研究所である生存圏研究所の教授陣による講義。

 

生物物理学入門 理学研究科のリレー講義 前期:月5
自然群-生物学 平常点25%、試験75% 75%

半年に渡って、5,6名の教授がリレー形式で講義をする形式です。その面子がかなり豪華(例えば、ノーベル生理学賞受賞の有力候補である森教授など)で、生物物理学(分子生物学)の超最先端の研究について分かりやすく説明して頂けます。
テストは論述形式で、講義内で教授が話した内容についてが出題されます。教授の話をしっかり意欲的に聞いていれば解ける問題ばかりです。
他学部から聴講に来られている学生さんも多いので、是非聴講しに来てください。

物理生物学って言葉があるんだね、知らなかった。
「ウイルスを生態系の中で不可欠な存在であるとの観点から概説する」とか「細胞がタンパク質の品質を管理しているメカニズムを概説する。 」とか、テーマがいちいち面白そう。

 

基礎化学実験 基礎化学実験授業担当教員 複数開講
自然群-化学 出席状況と実験態度とレポートによる 93.8%

毎週の実験レポートがしんどいが、実験内容は刺激的かつ面白い。(蛍光物質や指示薬を作ったり、含有金属の推定など)

地球科学実験 人環教授を中心に多数 火3-4または金3-4
自然群-地球科学 出席状況と実験課題とレポートによる 91.4%

楽しい!ドローン飛ばしたり重力計ったり、普段できないことがたくさんできる!評価も甘い!最推し!!

文系のフィールドワーク実習・理系の基礎実験を強く推す先生方は非常に多い。
やはり、自分の手を動かして学術の対象となる領域を感じることは極めて重要だし、さらにはこれらの活動が実際に自分が研究することになったときの日常となるからである。
こういった実習が肌に合わない学生も多いが、それを早く見極めることで少なくとも将来の進路決定に役に立つ。
(なお物理学実験はクソって声をよく聞くが…)

 

植物自然史I,II 瀬戸口 浩彰 前期金1、後期金2
自然群-生物学 試験100% 48.5%(I)

先生の話が興味深い。
一限ではあるが、植物自然史とネットで調べると過去問とその答えを載せているブログが出てくるのでそれを確認すれば単位も取れると思う。

シラバス曰く「一人でも多くの受講者に、植物学を「面白い」と思って貰うこと」を目標にしているらしいので、この感想を見るに成功してるっぽい。
教授の本業はやはり研究に向きがちなので、こういう教育に情熱を割いてくれる人は重要。

 

Everyday Life Chemistry-E2 Amelie Perron 後期:木4
自然群-化学 平常点30%、小テスト50%、発表20% 81.8%

“ベーコンの香り”、”低カロリー食品”みたいな日常の裏に隠れる化学を学ぶ授業らしい。

綺麗、かわいい、声も綺麗、発音も綺麗、なのに子持ちらしいけど好きになっちゃう背徳感

これ載せるか悩んだけど。それでE2科目をとる動機になればいいのかもしれん。

 

ILASセミナー:惑星・衛星の地学 山路 敦 前期:火5
少人数群 平常点100% N/A

形式は各人2回ずつ、「惑星・衛星に関わるもの」からテーマを決めて学術的なプレゼンを行うというものです。山路教授は地質学・鉱物学の教授ですが、ここでの発表はそれに限らず、電磁気学・生物学・宇宙化学・博物学、また経済学や文学・歴史学など多岐にわたる分野からの発表がありました。
受講学生も理学部だけでなく物工、地球工、文、経済、教育と色々な学生を抱えており、プレゼンを聞けば同輩と広い知見を共有できます

教室が北部構内・理学研究科にあるので注意。
その分、吉田南にいる先生とは異なる先生から学べるということでもある。吉田南には基本的に総人・人環の先生しかいないので、積極的に他キャンパスに出張するべき。

 

ILASセミナー:森での感動を科学する 伊勢 武史/大庭 ゆりか 前期集中(9月初旬)
少人数群 レポートと発表 N/A

授業内容がわかりやすくておもしろい、原生林に入れる、みんなでごはんつくって食べたりバーベキューしたりめっちゃ楽しい、お菓子買っていって菓子パしながら発表準備できる、TAの先輩のキャラが濃かった、脳波を測るのが楽しい、自分で実験計画をたてるのも楽しい

フィールドワーク系の集中講義って全体的に評価高い印象。
CAP制・普通の時間割の外なので取得単位を上乗せ出来るのもよい。

 

このほかにも京大には魅力的な先生が多数います(きっとね)。
たくさん勉強して、知的好奇心を満たしましょう!

スペシャルサンクス:アンケートに回答してくれた59人の京大生

 

次は履修登録の支援ページでも作ろうかなって思ってる。