外食レポート:パフェ|パイナップル2023@金木犀茶店

SNSタイムに以下のツイートが流れてきた(SNSの話しかしてない…)

山葵のアイスは気になりすぎませんか?それをつかった前菜系のパフェ。この前行ったカフェでも前菜系のパフェあったんですけどもうメジャーなんですか?5月限定で、予約枠を見ると休日は既に埋まっている。これは流石に気になるので昼休みにギリ行ける範囲だし(今ある程度昼休みの時間に融通が効くので)平日に予約を入れた。HighQOL生活回していくぞ。

そんなわけで以下、レポートを書きましたが、思ったよりマジで怪文書が出た、例えが発散&飽和している…。金木犀茶店さんごめんなさい。

パフェ|パイナップル2023,鉄観音ティー

見た目が綺麗なのがまず良いですよね、このうつわは陶工房つばめさんというところの作品で、金木犀茶店で展示してたりもするらしい。

サーブ時に、メレンゲと山葵のアイスを同時に食べることを勧められたのでまず素直に従ってこの2つから。…ナニコレ。一般的に想起するパフェの概念から絶対出てこない味なんですよね、でもそう思う「パフェの概念」って何なんだろう…?機会なので考えてみたが「標準回答」性ではないかと思った。パフェは応用色が強いように思われるが、基本的には人間の好きな甘味(ホイップ・チョコレート・イチゴ・バナナ等)を組み合わせて作る。或いはオシャレなパフェだと季節の、ちょっと特徴的な味や風味のフルーツを使ったり、バニラらしさや杏仁らしさといった香りの「グループ」を特集したり、チョコレートのカカオらしさに焦点を当てたりするが、それでもなお基本的に広い一本の大通りを提示することが多いように思う。対して、このパフェの提示する風景は地図が無いと地元の人でも偶に迷うような地域のよう。スモークサーモンのクリームの味と香りの強さ&(クリームのもったりさ)と、山葵アイスの刺激(とアイスのストレートな冷たさ)が、お互いに強い世界構築能力を持っている「仲が悪い」とは言い切れないけど距離感と緊張感のある中心メンバーのよう。笑っていいともグランドフィナーレでダウンタウンが居る画面にとんねるずが乱入してきた瞬間みたいな。いきなりsus4から始まる曲。そういえば、パフェの器の口が狭いのは意図的なんだろうか、これがよりスモークサーモン・山葵グループの独立性と二者のみでの対峙、前座性を強調しているように思う。

さて、突然のイベントに戸惑っている間にも、場面は進んでいく。パイナップルと冬瓜茶のグラニテでようやく本日の主役・パイナップルが登場、ようやくクラス「パイナップルパフェ組」の日常が見え隠れするが、冬瓜茶がパイナップルの風味との親和性もちちつ、まだスモークサーモンと山葵の緊張感を上手に引き継いでいる。コイツ絶対クラスの中で常識人グループにも変人グループにも出入り出来る貴重な人材だ。そしてピーナッツバターのアイスやパイナップルのマリネ、パウンドケーキ、パンナコッタのが待ち構える中央ゾーン、こちらはファッションリーダー集団だ。いや、ファッションセンスは抜群だけど独特だからフォロワーは居ないかも、普通の高校生には真似できない(いつから高校生のクラスの設定になったんですか?)。ここで使われているライム・茘枝紅茶・白桃烏龍といった素材が、親しみやすくも量産的でない個性を放っている。そして下にも干し梅とトマトの一夜漬けが隠れている。案外ミーハーで一般受け施策に理解もあるけど自身の創作物は尖ったモノしか出てこないタイプのオタク女子集団だ。梅は桃・ピーナッツあたりと相性はいいけどお菓子クラスに入れられると異才を表す。甘いトマトも、案外取り合せを選ぶけど、ここはみんなスモークサーモンくんと山葵くんの存在感に慣れているから大丈夫、好きにクリエイションを発揮してくれ。

ところで食べながら、なんでこれが「パイナップルの」パフェなんだろうと思っていたのだが、こうやってクラスの全体像を一通り見てくると、確かに最初のスモークサーモンと山葵の衝撃が大きくて、「ピーナッツバター君ってクラスどこだっけ」「パイナップルパフェ組なんだよね」って言ったら絶対「えっと、スモークサーモンくんと山葵くんが居るところだよね」って返される定着度だけど、彼らは文化祭の脚本担当とかでクラスの日常からは見えない範囲で目立っていることが多くて、もちろんそれもクラスに多大なる影響を与えているんだけど、体育祭の声かけを誰がしてそうかと考えるとやっぱりクラスの中心に居るのはパイナップルくんかなあって気は確かにする。一番普通で当たり障りなくやっていけるのに、一軍らしくキラキラ輝いているし、ちゃんとこのクラスを気に入ってそう。「なんでトマトくんここに居るの?」って言われても「でも俺だって酢豚に入ってたりするし」ってフォローしてくれるタイプ。

このパフェの情報量の多さからすると、鉄観音ティーは凄いあっさりしていた。ホワイトバランスをちゃんとコントロールしたホワイトアウトエフェクトみたい。舞台の幕が綺麗に閉じていく。あの問題児クラスでの事件の絶えなかった日々も今思い返すと青春だったんだなあ、って。カゲプロにおけるサマータイムレコード。